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佐賀大学 農学部 食資源環境科学コース 生産環境化学分野 におい農学研究室(上野研)

研究テーマ

におい(匂い・臭い)」の研究
農林水産分野の問題解決に貢献

 

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研究室紹介動画(日常生活編)
→動画編集が得意な学生が作ってくれました。日常生活の様子や、先輩に教わりながら実験を進めている様子が伝わればと思います。

By さかもとP

 

佐賀大学 上野大介
具体的な研究成果(論文の内容)は「リサーチマップ(研究ブログ)」で紹介しています.そちらをご参照ください.


以下,概要です.

本研究室では、「環境中の化学物質をはかる技術(環境分析化学)を応用し、社会に貢献すること」を目指しています。

いくつかの研究テーマを紹介します。

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大気環境中の化学物質である「におい(匂い・臭い)」の化学的・官能的な分析技術を活用した農業生産に関する問題解決に関する研究

「におい」(匂い・臭い・香り)とは、大気環境中の揮発性物質(VOCs)に対するヒトの反応のひとつといえます。環境中の化学物質をはかる技術を応用し、数10~100物質の混合物であるにおい物質を分離・同定していきます。

一方で、匂いはヒトの感覚であり、化学分析だけでは判別することができません。またヒトの嗅覚は生理活性物質に対してとても敏感であるため、分析機器(ガスクロマトグラフィーなど)だけでは感度的に検出できないことが多くあります。


「におい物質同定システム(Odor/Aroma Substances Identification System: OASIS:オアシス)」の構築

本研究グループでは、におい(匂い・臭い)物質の迅速名化学同定を目標として,「におい物質同定システム(Odor/Aroma Substances Identification System: OASIS:オアシス)」を構築しました.

本システムは,におい嗅ぎガスクロマトグラフ(GC-O),ガスクロマトグラフ分取システム(GC-F),およびガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)などを活用し,“ヒトの嗅覚”と“分析機器”を有機的に連動させることによって“におい物質”の高感度検出・同定を可能にしたものです.

本システムによって従来の分析手法では困難であった,数百の化学物質の混合物であるにおいの中で該当物質を特定すること,においは感知されるが低濃度のため不検出とされてきた物質を同定すること,が可能となりました.これまでも本システムを活用することで,農作物の病害発見や防除,分類に関する技術開発,和牛のストレス評価に向けた皮膚ガス分析手法の開発,食品異臭(オフフレーバー)の同定,農地における油流出事故の臭気源解明,農業用水路の臭気評価,ハウスダスト臭の起源解明,学校教室の異臭解明,深海環境における香料汚染の発見,など多様な問題の解決に寄与してきました.

いくつかの研究例を以下に紹介します.

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--------研究テーマの例---------------


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具体的な研究成果(論文の内容)は「リサーチマップ(研究ブログ)」で紹介しています.そちらをご参照ください.


・「におい」を指標とした生産管理の簡便化(IT農業/スマート農業)の推進に関する研究

「におい」は作物の状態を表しています。たとえば果物が熟してくると甘い匂いがしてくるように、多くの作物も匂いで食べごろがわかります。熟度だけでなく、匂いで作物の病気や、害虫による被害状況を知ることもできます。このことは、作物の匂いを特定し、その匂いと作物の状態を関連付けることができれば、「匂いを指標とした生産管理」が可能となります。これまでは農業者の熟練によって判定されていたことが、匂いによってより容易に簡便に判定することができます。

しかし匂いはヒトの感覚であり、ヒトの嗅覚だけでは物質を特定することはできません.またヒトの嗅覚は生理活性物質に対してとても敏感であり,また匂いは多数の物質の混合物であるため、分析機器(ガスクロマトグラフィーなど)だけでは検出・同定することは困難です.本研究では、「におい物質同定システム(Odor/Aroma Substances Identification System: OASIS:オアシス)」を活用してにおい物質を化学的に同定し,作物の状態(成長状態・病害虫被害の状態など)と匂い物質の関係を解析していきます.

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・「においセンサー」を指標とした生産管理の簡便化(IT農業/スマート農業)の推進に関する研究

作物の状態と匂い物質の関係が解明されれば,その匂い物質に特異的に反応するにおいセンサー(臭いセンサー・匂いセンサー・臭気センサー・人工嗅覚・電子鼻・E-Nose)を選択することができます.たとえば,病害に反応する匂いセンサーを選定し,それらセンサーをハウス内に設置してインターネットに接続(Internet of Things:IoT)することができれば,病害が発生するとセンサーがスマートフォンにアラートを流すというシステムを構築できます.このようなIoTシステムを作物ごとに構築できれば,殺虫剤などの薬剤の使用量を削減し,適切な薬剤使用を補助するという,新しい形のIT農業を推進することが可能となります.

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・農業生産環境における「悪臭・異臭問題」の解決に関する研究

食品中の異臭の特定、生産現場(畜舎など)の悪臭の原因解明と改善法の提案、悪臭と家畜ストレスの関係解明などについて調査研究を進めています。

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